2018年3月19日 株情報


【解説】
前回3月2日の原稿において、
ポイント【A】のような支持線反発パターンになるのか、それともポイント【B】のような支持線割れ急落パターンになるのか、どちらなのか?
といった内容を書きましたが、その後2週間ほど経過しましたが依然として、もみあい状態が続いています。
日経はどちらに大きく動くのか?
それは近いうちにはっきりすると思っていますが、ここにきてアメリカのNYダウが分かりやすいチャートパターンになってきました。
まるで教科書に出てくるような、綺麗な三角形のチャートになってきていることが分かります。
(渋谷高雄株式投資大百科
第5章「代表的チャートパターンを覚える」第5項「上方ブレイクダウン」第12項「下方ブレイクダウン」
第7章第2項の5「ランキングに応じた銘柄発掘」チャート7-2-5-4
第10章第4項「事例で考えるスイングトレードの優位性」チャート10-4-2
等参照)

このNYダウの三角持ち合いチャート形、その上下どちらかにブレイクすれば、日経もその後追いをする可能性が高く、シナリオが立てやすくなると言えそうです。
(渋谷高雄株式投資大百科 第7章第4項「トレンドを読むことによって、実際にトレードする銘柄を決める」等参照)
引き続き、ニューヨーク市場の動向からは目が離せません。

それにしても、まさかの米朝首脳会談開催への動き、本当に意表を突かれて驚きましたね!
これで当面の間、アメリカ軍による北朝鮮奇襲攻撃はないと考えて間違いないでしょう。
しかしこれで平和が確約されたとは思えません。
もしも実際にトランプと金正恩が会って、会談が決裂したらどうなるのでしょう?
アメリカ軍は一応表向きは民主主義の軍隊なので、中国のような事実上の独裁体制国家の軍隊とは違い、大義名分がないと開戦できません。
民主主義の軍隊から戦争を仕掛けるには「やるべきことはやり尽くした」という世論を納得させるだけの体裁を整える必要があるわけです。
その絶好の口実を、ロケットマンはトランプマンに渡してしまったようにも思えるのです。

これは第二次世界大戦の発端となったドイツ軍のポーランド侵攻の前年、1938年のミュンヘン会談に似てるような構図だと思うのです。
ドイツのヒトラー、イタリアのムッソリーニと、イギリスとフランスの首脳同士の会談でしたが、
ここでも、民主主義の看板を背負っているイギリスとフランスの首脳は、戦争を回避するという目的を一番に掲げざるを得ず、そこをヒトラーに見透かされて、交渉でドイツの要求を飲まざるを得なかったのでしたね。

しかし今回は違って、民主主義側ではあるはずのトランプ大統領が「戦争だけは避ける」という目的を一番に優先しているわけではない・・と思えるのです。
この点がミュンヘン会談の時と決定的に違う。
「北朝鮮をやるなら今しかない」と、すでに戦争してもいいと覚悟を決めているなら、むしろこの会談は、戦争を仕掛けにくい民主主義の軍隊に絶好の口実を与えてしまうことになりかねない。

太平洋戦争の時、日本海軍の真珠湾攻撃を、時のアメリカ大統領ルーズベルトは内心大喜びしたと聞きます。
戦争をしたい大統領にとって、それほど民主主義の軍隊は自分から戦争を仕掛けられないものなのでしょう。

「トランプならやりかねない」というイメージも、この交渉ではロケットマンにとっては不利に働くでしょうね。

この会談の前後で株価は大きく動くと予想しており、私(渋谷)は米朝首脳会談の日程前後では、予定を極力入れずに相場に集中する環境を事前に整えておこうかと思っています。