(2022年5月22日執筆)
2ヶ月前に執筆した前回の株情報【Ⅳ】チャート分析において、
>メインシナリオは先に述べたように、時間はかかりますが、新しい上昇トレンドチャネルの形成を待つというもの
と述べましたが、その新しい上昇トレンドチャネル形成の可能性がようやく出てきました。
それでは今回も、前回にならって以下4項目に沿って解説していきます。
・・・と言いたいところなのですが、その4項目の中の【Ⅰ】【Ⅱ】【Ⅲ】については書きたいネタが豊富にあるものの、いかんせん今回も執筆時間が限られてしまい全部一括UPが無理な状況です。そこで恐縮ですが、ひとまず【Ⅳ】チャート分析項目の完成を優先して、残りは近日中のすみやかなUPを目指したいと思います。
【Ⅰ】ウクライナ情勢(近日中UP)
【Ⅱ】需給動向(近日中UP)
【Ⅲ】ファンダ要因(近日中UP)
【Ⅳ】チャート分析(今回UP)
前回では日経平均の日足チャートで解説しましたが、今回はTOPIXの日足チャートに変更して、かつ上げから下げへの変化の推移が分かりやすいように期間を長くして2年チャートで解説します。その主な理由ですが、以下2つのニュースを受けてのことなのです。
(詳細は近日UP予定の【Ⅱ】需給動向で詳述します)
1.5月17日付けブルームバーグ報道(要点抜粋)
ウォルマートを創業したウォルトン家の投資会社ウォルトン・インベストメント・チーム(WIT)は、上場投資信託(ETF)を通じ日本株に投資。新たに「iシェアーズMSCIジャパンETF」を約2億3930万ドル相当買い入れ、小型株にも賭けているとのこと。
2.5月21日付けブルームバーグ報道(要点抜粋)
ジェイソン・ブレイディ氏:ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントの最高経営責任者(CEO)兼社長
「1年以内にリセッション(景気後退)入りするというのが私の見解だ。当社は米国外にもっと高いバリューを見いだし、グローバルに投資先を見ている」
以上のように、外国人投資家にアメリカ以外に投資先を求め、かつ小型株にまで手を広げようとする動きが感じられるので、主要大型銘柄だけでなく中小型株の動向もより反映するTOPIXをより注視していこうと思ったのです。これは前回の株情報でも述べたことですが、上がり切った感のあるアメリカ株や、ロシアと同じく将来的に隣国侵攻懸念のある中国株のウエイトを落として、消去法的にイギリス株や日本株の投資比重を高めざるを得ない外国人投資家の苦しい運用事情が反映されつつあると言えるでしょう。
さて、掲示したそのTOPIX日足チャート2年チャートをご覧下さい。
まず、認識できる大局的な下降トレンドチャネル(トレンドラインレンジとも言う)AとA’については、前回掲示の日経平均と同様に青色で引くことができます。
(●下降トレンドチャネルについては、渋谷高雄大百科第5章第13項等を参照)
そしてようやく、赤色の上昇トレンドラインBが形成された状態になりました。同時に、緑色の下降トレンドラインCも機能しているので、株価は現在、このBとCに挟まれた「三角もち合いチャート」を形成していることが分かります。よって今後は以下2通りのシナリオが想定できます。
① 上げシナリオ
Cを上方ブレイクアウトできれば、A’に下から接近するまでの上昇が想定できる。そしてさらに、そのA’を上方ブレイクアウトできれば、BとB’の上昇トレンドチャネルの形成につながると期待できる。
(●上昇トレンドチャネルについては、同大百科第5章第6項等を参照)
② 下げシナリオ
Bを下方ブレイクダウンして、三角もち合いチャート下放れになれば、下降トレンドラインAに上から接近するまで下落することが想定できる。
はたして、今後は①②どちらに動くのでしょうか?
カギを握るのは、やはりアメリカ株にリバウンドの動きが出てくるかどうかでしょう。そこで掲示したSP500の日足1年チャートもご覧下さい。こちらも上記TOPIX同様の理由でダウやナスダックではなく、今回ではSP500にしています。安値更新を続けるSP500チャートでも、A、A1、A2から成る下降トレンドチャネルが認識できます。これが今後、下降トレンドラインAを下方ブレイクダウンしてしまうと、TOPIXがBで支えられるかどうかも怪しくなってきますね。反対にSP500が緑色の短期的下降トレンドラインC2を上に抜けることができれば、TOPIXもCを上抜けできそうです。ですがSP500には、その後も黒色のレジスタンスD、短期的下降トレンドラインC1、そして大局的下降トレンドラインA2などが次から次へと立ちはだかってくるので、アメリカ株での新しい上昇トレンドチャネルの形成はまだまだ遠そうな気配です。