2020年1月19日 株情報



【解説】
前回執筆(1月13日)の原稿で述べたように、
引き続き先週は、上下小動きを繰り返しながらジリジリと上がっていくという2017年と同じような適温上昇相場を思い起こさせる1週間でした。

今週はまず、③’のニューヨークダウ 日足1年チャートからご覧下さい。
これは前々回執筆の株情報(昨年12月8日)の③ニューヨークダウ日足2年チャートと比較しながら見ると良いでしょう。
以前の原稿では、青色で示した上値抵抗チャネルラインCと赤色で示した上昇トレンドラインDに挟まれた上昇トレンドチャネルが形成されており、株価がこのラインCを上方ブレイクアウトできた場合、上昇トレンドが加速する可能性があると述べました。
(●渋谷高雄株式投資大百科 第5章第5項等を参照)
そして現在、Cを上に抜けて、新たにピンク色で示した短期上昇トレンドラインAの発生が③’チャート上から読み取れるのです。
そしてこれまでレジスタンスの役割を果たしていたラインCが、このブレイクアウトにより役割を逆転させて、今度はサポートの機能を果たし始めたことが③’チャート上の緑色の注釈からも読み取れます。
(●渋谷高雄株式投資大百科 第3章第9項 サポート・レジスタンス③等を参照)
よってダウの株価は当面、この新しく発生した短期上昇トレンドラインAを割ることなく、上下小動きを繰り返しながらジリジリと上がっていくことが予想され、これが当面のメインシナリオとなります。
つまり何らかの悪材料が出現して株価が反落してきても、このラインAに接近する場面は押し目買いの好機となるわけです。
(●押し目買いについては、渋谷高雄株式投資大百科34ページや第3章第3項等を参照)

次に、①日経平均 日足6か月チャートをご覧下さい。
これは前回執筆の株情報(1月13日)の④’日経平均 日足2年チャートと比較しながら見ると良いでしょう。
これまでのように日経はダウに比べたら弱い印象で、依然として青色の三尊天井の抵抗線と、下から接近する形となったピンク色の短期上昇トレンドラインに抑えられたままです。
もっとも、前回でも述べた20日(月)から始まるファーウェイ副社長の引渡し問題がさほど悪材料に捉えられなければ、それがきっかけで日経にも200円~300円級の大陽線が示現して、この2本のレジスタンスラインを一気に上に突破できるかもしれません。
アメリカがひたすら上がり続けるのであれば、日経のこの2本のレジスタンスラインも、いつまでも持ちこたえられないでしょう。
いくつかの兆候から、すでに中国共産党指導部はファーウェイ女性副社長を見捨てる決断を下した可能性もあるので、それをマーケットが感じ取れば、いよいよ日経もダウに追随してブレイクする可能性が高まります。
そうなれば日経は、三尊天井のチャートパターン形成失敗という形になり、今度はN字型チャートパターンに変化していくなどのパターン変換の可能性も高まります。
これらは今後、トレードシナリオの作成の大きな参考となるでしょう。

私どももブレイクアウトの前兆を捉えるべく、日夜マーケット研究に没頭しておりますが、
(●マーケット研究については、渋谷高雄株式投資大百科 第6章を参照)
現在大きく注意を払っていることに、セクター別のチャート動向があります。
(●渋谷高雄株式投資大百科 第3章第2項、第4章第5項等を参照)
この中で、いまだ出遅れ感のある銀行セクターチャートを特に監視していますが、現在それは役割を逆転させたサポートライン上にあり、今は頭を抑えられている5日移動平均線を今後どこかのタイミングで上に抜けて反騰を開始した場合、日経平均全体の大きな上昇エネルギーにつながると考えています。

それにしてもなぜ、ダウに比べて、日経はイマイチ弱いのでしょうか?
その原因の一つの大きな可能性として、需給の問題があると考えています。
この需給の問題とは、投資主体別売買動向から読み取れるものです。
(●投資主体別売買動向については、渋谷高雄株式投資大百科 第1章第8項、第6章第5項の2「未来形の予測」等を参照)
今回は、その動向構成者の中で、

①自己
②個人
③外人
④信託銀行

これら4つに絞って考察します。
これら4つのイメージを分かりやすい表現にすると以下のようになるでしょう。

①自己=今や全盛期を迎えた感のあるAI、コンピュータアルゴリズムシステムによる全自動オートメーション機能による証券会社自己売買部門による超高速無敵トレード。
社内では人間の脳みそによる裁量トレードはもはや完全に敗れて居場所を失い、人間のディーラーはほぼ解雇消滅して、その分は人工知能AIに置き換わってしまった。
囲碁、将棋、チェスなどの世界で、すでに人間がAIに勝てないのと似たような現象である。
つまり証券業界はひと足先に、銀河鉄道999で言うところの「機械化人間の住む惑星」と化してしまったのである。
彼らの「獲物」はもちろん私たち個人投資家の口座資金であり、それをいかにトレーディングで巻き上げるかであることのみ。
「貯蓄から投資へ」という大本営プロバガンダの白々しさは、もはや国民の財産権侵害にすら思えてくるもので、大げさに言えば憲法違反レベルであろうか(笑)

②個人=私たちのこと、業界用語で「イナゴ」と称されることが多く、食物連鎖の最下層の位置づけで、プランクトンやねずみなど常に捕食される側の存在。
しかしながら、ひとつ希望があるとすれば、株式トレーディングは先ほど述べたチェスや囲碁将棋とは違い、AIが全知全能に進化しても、決して人間を100%全員駆逐し切れないこと。
つまりAIがどんなに進化を遂げようとも生き残る人間は一定割合必ず発生するわけで、その構造はイナゴやねずみが決して絶滅しないのと同じことと言える。
筆者はこう考えている。
数百人の命を乗せた航空機の操縦が、ついに人間のパイロットが不要になり、人工知能のみでの操縦が可能となるまでAIが究極進化を遂げた時、
(つまり、民間航空機に乗るのは乗客と客室乗務員だけ、ということ)
株式トレーディングの世界でも、個人の100%全員がもう決してAIから逃れることができなくなっていることだろう。
しかし、そういう日が訪れることは「絶対に」ないのである。
(●個人投資家として、絶対と言う言葉の意味するところは、渋谷高雄株式投資大百科64ページを参照)
どんなにAIが進化しようとも、人間のパイロットが必要とされるのは、あらゆる予期せぬ突発事態に100%対処できるプログラムの構築が不可能だからである。
AI開発者がどんなに自画自賛しても、AIに「命を預ける」ことまでは誰にもできないのである。
仮に人々が、人間のパイロットが操縦する飛行機と、AIが操縦する飛行機のどちらかに乗るしかないという選択を突き付けられた場合、AI開発者も含め誰もが人間のパイロットが操縦する飛行機を選択するのである、つまりそれが答え。
言い換えれば、AIが人間に取って変わっても墜落事故はゼロにはなりえないのである、それも答え。
予期せぬ突発事態に対処できるのは、最後は人間の脳みそのみであり、それは株式トレーディングの世界でも同じことであるはず(と信じています 笑)。

③外人=外国人投資家

④信託銀行=日銀の黒田総裁がある会見で、日銀による株買い入れは「株価安定のため」とついうっかり口を滑らせたが、まさにその日経平均買い支えのイメージ。
いつか未来において、この株価維持のための買い支えが限界に来て大逆流を始めた時、黒田東彦は老衰を口実に引退しようとして、姑息にもそのツケを後任に全て背負わせようとするだろう。
つまり最後の責任を取ろうとしたがらないヤリ逃げも同然である。
東彦にだけは、死のその瞬間まで総裁の座をやめさせてはならない、生きている限り、この年金資金による株価買い支え政策の全責任を取らせ続けるべきである。
任期制を撤廃して終身独裁者となった習近平同様、男:黒田はるひこも終身総裁として死ぬまで辞めてはならない、あなたが死ぬのは株価ボードが表示されたデスクの上でのみなのだ。

以上のようなイメージで良いでしょう(笑)
そして興味深い現象として、私どもは10年以上の長い期間に渡り統計を取っていますが、特にここ最近の傾向として、①と②、③と④の反対連動が激化の一途をたどっているのです。
分かりやすく説明すると、①の自己が猛烈に買っている期間は、②の個人が猛烈に売っているのです、反対に自己が猛烈に売っている時は個人が猛烈に買っている、ということです。
同様に、③の外人が猛烈に買っている期間は、④の日銀黒田はなぜか猛烈に売っているのです。
①と②の逆相関は理解できます、プロスペクト理論などの研究に裏付けされているように、
(●渋谷高雄株式投資大百科 第2章第2項を参照)
個人の信用評価率はほぼ常にマイナスなわけなので、AIに全自動で常にその反対売買をさせておけば、自己は常にプラスのトレーディング成績を叩き出せるからです。
しかし解せないのは、③の外人が猛烈に買ってくる時、なぜか④の日銀黒田はるひこが密かに売りをぶつけて現金化してるくさいこと・・??
パンパンに膨れ上がった日銀の買いポジションを実は東彦も内心まずいと考えていて、ステルス処分でもしているのでしょうか?
ダウと比べた日経の弱さは、③の外人買いに対して、④の黒田東彦が売りをぶつけていることに一因があるとしか思えない投資主体別売買動向のデータなのです。