2017/11

2017年11月17日 株情報


【解説】
前回の原稿執筆から1週間ほどが経過したが、「よく注視しておきたい」としたドル円の動きが、
前回11/9の株情報で掲示したドル円チャート図上に描いた114円前後のレジスタンスの上方ブレイクアウトならず、跳ね返されてしまい、現在反落しつつある。
(本原稿執筆時において、ドル円112円50銭前後、日経平均先物22,400円付近)
同じように前回において「こうなると、当面の天井をつけたのではないか? と思えてきて」と述べたが、どうやらその通りであったようだ。
(渋谷高雄株式投資大百科 第5章「代表的チャートパターンを覚える」第9項「天井打ちのチャートパターン」で解説)
だが幸いにも前回でも述べたように「日本株の今後の買いタイミングを推し量るに、この114円前後のレジスタンスを上方ブレイクアウトしてきたら・・」
といった視点を持っていたので、現時点ではまだ押し目買いには動いておらず、買いの余力は温存できている。
そこでこのドル円の反落といった事態発生に伴い、トレードシナリオに変更を加える必要が生じた。
(渋谷高雄株式投資大百科 第8章「トレードシナリオを立てる」にて詳述)
一番簡単で分かりやすいシナリオは、
【シナリオA:ドル円が109円のサポート層付近まで下落してきたら、株の打診買いに入る】
というものだろう。
しかしここで素朴な疑問も芽生える。「果たして、そこまで落ちるのか?」といったものである。
もちろん、各自がそれぞれ独自の研究において、何らかのシグナルを発見して先んじて買いに入るのは構わない。
もしくは人によっては、売りシナリオの作成ができる方もいることだろう。
しかしこうした不透明な相場においては、くれぐれもロットを落として勝負することを推奨したい。
(渋谷高雄株式投資大百科 第9章「リスク管理」にて詳述)

ところで、さらに大局的な視点でチャートを見てみよう。
(渋谷高雄株式投資大百科 第3章第3項「期間を広げてみることで見えてくるトレンドラインが有効になることもあり、それが勝負の分かれ目になることもある」で解説)
今回掲示したのはドル円の10年月足チャートだが、一目瞭然、三角フラッグ形が収束しつつある形になっており、今回の反落は、その三角フラッグの上抜けに失敗したものであったのが分かる。
これだけ長い期間に渡って、この三角フラッグが機能してきたのであれば、今後どこかのタイミングで上下どちらかのブレイクアウトもしくはブレイクダウンが発生した時、
それは強力な新しいトレンドの発生となる可能性が極めて高い。
(渋谷高雄株式投資大百科 第4章「マーケットサイクルの罠を見抜く」第7項「マーケットサイクルを理解したトレードの事例」で解説)
このことを心の片隅にしまっておけば、今後いつかどこかで大いに役立つ時が来るかもしれない。

2017年11月9日 株情報


【解説】
前回の原稿執筆から約1か月。
前回では「もしも上にブレイクアウトできれば、N字チャートパターンのセオリーから、日経平均は26,000円くらいまで上昇する可能性すらある」
と述べたが、ブレイクアウト後、歴史未踏の16連騰を演じるなど驚異的な上昇力で日経平均は3000円近く上昇した。
これほどの短期間で目標値幅6000円のうち、約半分の上昇を1か月弱の期間で示現したのは驚異的である。
しかしながらこういった展開になると、高値を買うのがだんだん怖くなってくるのが相場人間心理。
押し目を待ちたい気持ちが強くなり、そのタイミングを推し量りたくなる。
そして本日11/9(木)のザラ場において、ついに日経平均は上下800円強の値幅で乱高下し、かつ出来高も多かった。
こうなると、当面の天井をつけたのではないか? と思えてきて、この後いったん反落するのであれば、いよいよ押し目買いに動きたいもの。
しかしながら、どのタイミングで動けばいいのか、日経のチャートを見ていても、どうにもよく分からない・・予想がつかないのが悩ましいところ。
そこで、8/14原稿執筆時と同様、為替のドル円のチャートを参考にしてみよう。
(渋谷高雄株式投資大百科 第6章マーケット研究第3項の1「為替」及び同第5項の1「現状の理解」で解説)、
日経平均はレンジを抜けて5日移動平均線に沿って上昇しているのに、ドル円は依然として8/14原稿執筆時点で形成されていたレンジ内にとどまっていることが分かる。
もしもドル円が、この114円前後のレジスタンスを上方ブレイクアウトしてきたら、その時は日経も再度強力な上昇モードである可能性が高く、トレードシナリオも立てやすくなっているだろう。
このように日本株の今後の買いタイミングを推し量るのに、ドル円の動きもよく注視しておきたい。